ComfyUIで動画を作っていて、最後の工程で何分も固まってしまったことはありませんか?

私は、10分以上止まりました。

2026年9月5日に、同じ動画を7通りの条件で作って、止まる原因を調べました。

答えは、パソコン本体のメモリ(RAM)が足りなくなることでした。

起動する時の設定の言葉を1つ足すと、1,006秒かかった動画生成が、281秒で終わりました。

ComfyUIというのは、パソコンの中でAIに画像や動画を作らせるソフトです。

お館様(困惑2)

動画の生成が途中で固まるのは、GPUのメモリが足りぬからではないのかのう?

ジライヤ(驚き2)

おやかたさまぁぁぁぁぁ! 拙者も最初はそう疑ったでござる。ところが測ってみると、GPUのメモリが足りなくても止まらず、止まったのはパソコン本体のメモリが足りない時だけでござった

こんな方におすすめ

  • ComfyUIの動画生成が、最後の工程で何分も止まる方
  • GPUのメモリは足りているはずなのに、生成が遅くなる方
  • ローカルLLMなど、ほかのAIを同じパソコンで動かしながらComfyUIを使う方

結論・全体像

動画生成が止まった原因は、GPUのメモリ(VRAM)ではなく、パソコン本体のメモリ(RAM)が足りなくなったことでした。

RAMは、パソコン全体で使う作業机です。

VRAMは、GPU(絵や動画を計算する部品)だけが使う作業机です。

ComfyUIは、RAMの机の上に、あらかじめ「場所取り」をします。

正式には、pinned memory(ピンドメモリ)という機能です。

場所取りされた分は、ほかのソフトが使えません。

私のパソコンでは、RAM 65,277MBのうち、最大40%の26,110MBまで場所取りされていました。

MBは、メモリの量の単位です。

動画のAIモデル(MiniMax H3)は約32GBあり、GPUの12GBには入りきりません。

そのため、モデルをRAMに置いて、少しずつGPUへ送ります。

ここにローカルLLM(自分のパソコンで動かすチャットAI)も動かすと、RAMの机がいっぱいになります。

起動する時の設定に--disable-pinned-memory(場所取りをやめる)を足しました。

すると、1,006秒(16分46秒)かかった動画生成が、281秒で終わりました。

約3.6倍の速さです。

ただし、RAMに余裕がある時は、場所取りをやめると17%遅くなりました。

止まる原因はVRAM不足ではなかった

止まる原因は、GPUのメモリ(VRAM)が足りないことではありませんでした。

最初は、私もVRAM不足だと思い込んでいました。

9月3日に、ローカルLLMを動かしている時は、動画生成が失敗する、と記録しました。

AIに作業を任せる仕組み(AIエージェント)から動画を頼むと、完了の返事は来るのに、動画ができませんでした。

ローカルLLMがGPUのメモリを10.6GB使っているせいだと考えて、メモリを空ける仕組みを作ろうとしていました。

作る前に、まず確かめることにしました。

GPUのメモリを10.6GB使い切るだけの、テスト用のプログラムを動かして、動画を作りました。

10.6GBは、ローカルLLMが使う量と同じです。

条件 GPUメモリの空き最小(MB) 所要時間(秒)
何も動かさない 377 146
テスト用プログラム(Windows上) 188 192
テスト用プログラム(WSL上) 215 216

WSLは、Windowsの中でLinuxを動かす機能です。

ローカルLLMは、この上で動かしています。

GPUのメモリは、どの条件でも、空きが400MB以下しかありませんでした。

それでも動画は止まらず、完走しました。

メモリの割り当て方を変えた条件は205秒、場所取りをやめた条件は225秒で、同じでした。

GPUのメモリが足りなくても、動画は止まりませんでした。

しくじり

動画生成の失敗を、確かめる前にVRAM不足のせいと決めていました

  • 症状: ローカルLLMを動かしている時、AIに動画を頼むと失敗しました。完了の返事は来るのに、動画ができませんでした
  • 原因: 確かめる前に、GPUのメモリ不足と決めつけていました。ComfyUIへ直接頼んで測ると、止まった動画生成では、パソコン本体のメモリ(RAM)が足りなくなっていました
  • 避け方: 原因を決める前に、疑った所だけを変えて測ります。GPUのメモリを疑うなら、GPUのメモリだけを減らして試します
  • 今回のやらかし: GPUのメモリを空ける仕組みを、部品8つで作る案を考えていました。直すのに要ったのは、起動の設定の言葉1つでした(^^)

ローカルLLMを動かすと、1本だけ止まった

止まったのは、ローカルLLMを実際に動かした時の1本だけです。

ローカルLLMには、FreeTokenというソフトを使いました。

gpt-oss-20bというAIモデルを動かしています。

止まった1本は、絵を作る30ステップを2分43秒で終えたあと、最後の仕上げ(VAEデコード)で10分以上動かなくなりました。

仕上げの道具(約5GBのデータ)を読み込む段階です。

放置すると、16分46秒で終わりました。

テスト用のプログラムは、GPUのメモリしか使いません。

ローカルLLMは、GPUのメモリに加えて、RAMも大量に使います。

ここが、テスト用プログラムとの違いでした。

起動時の設定を1つ足すと、281秒で終わった

同じローカルLLMを動かしたまま、場所取りをやめると、1,006秒が281秒になりました。

項目 場所取りあり 場所取りなし
所要時間(秒) 1,006 281
RAMの空き最小(MB) 3,314 14,692
ComfyUIが使ったRAM最大(MB) 18,794 8,309

場所取りありの時、RAMの空きは3,314MB(約3.3GB)まで減りました。

場所取りなしでは、空きは14,692MB(約14.7GB)残りました。

お館様(困惑3)

ならば場所取りは、いつもやめておくほうが速いのかのう?

ジライヤ(テヘペロ)

それが、RAMに余裕がある時は、やめたほうが遅かったでござる

テスト用プログラムを動かした条件では、場所取りありが192秒、なしが225秒でした。

場所取りをやめると、17%遅くなりました。

RAMが足りない時は約3.6倍速くなり、足りている時は17%遅くなる結果でした。

9月16日には、起動用のファイルに設定を入れて、ローカルLLMを動かしたまま測り直しました。

動画は262秒、画像(512×512)は31秒で、どちらも完走しました。

同じ入力の投げ直しは0.01秒で終わる

測定の途中で、もう1つ失敗しました。

同じ入力で投げ直すと、ComfyUIは計算せずに、前回の結果をそのまま返します。

そのため、投げ直した生成が0.01秒で終わりました。

シードというのは、絵を作る乱数の元になる数字です。

同じシードなら同じ結果になるので、ComfyUIは計算を省きます。

しくじり

シードを使い回して、0.01秒の結果を測っていました

  • 症状: シードを使い回して投げ直した生成が、0.01秒で返ってきました
  • 原因: 同じ入力では、ComfyUIが計算せずに前回の結果を返します。シードを使い回していました
  • 避け方: 測り直すたびにシードを変えます。成功かどうかは、所要時間も合わせて見ます
  • 今回のやらかし: 世界最速の動画生成が、0.01秒で誕生しました(^^)

再現手順

  1. ComfyUIを起動した時の黒い画面(ログ)で、Enabled pinned memoryの行を探します。場所取りの上限です。私のパソコンは26110.0(MB)でした。
  2. 動画を作っている間、タスクマネージャーの「パフォーマンス」→「メモリ」を開き、「使用可能」の量を見ます。私のパソコンで止まった時は、約3.3GBまで減っていました。
  3. 空きが少ない時は、ComfyUIを起動するファイル(.bat)の設定に--disable-pinned-memoryを足します。
.\python_embeded\python.exe -s ComfyUI\main.py --windows-standalone-build --disable-pinned-memory
  1. ComfyUIを起動し直します。http://127.0.0.1:8188/system_statsを開いて、argvの中に足した言葉があれば、反映されています。
  2. 同じ動画を、場所取りあり・なしで1回ずつ作って、秒数を比べます。シードは毎回変えます。

私のファイルでは、--async-offloadと--cuda-device 1のあいだに入れました。

GPUのメモリの空きは、nvidia-smiで調べます。

ComfyUIの/system_statsにあるvram_freeは、ほかのソフトが使う分を数えていませんでした。

実際の空きが862MBの時に、11,163MBと表示されました。

デメリット・注意点

  • 私のパソコン1台(RAM 64GB、RTX 3060 12GB)で、MiniMax H3の動画(480×272)だけを測った数字です。
  • 条件ごとに1回ずつの測定です。止まった1,006秒も、完走した281秒も、1回ずつの値です。
  • 7通りすべて、ComfyUIへ直接頼んだ時間です。AIに頼んで作らせた時間ではありません。
  • 場所取りをやめると、RAMに余裕がある条件では17%(192秒から225秒)遅くなりました。

最後に

動画生成が止まった原因は、RAM不足でした。

起動する時の設定を1つ足すと、1,006秒が281秒になりました。

まずは、動画を作っている間の「使用可能」なRAMを、タスクマネージャーで見てみてください。

GPUのメモリを疑う前に、測るのが一番の近道でした。

お館様(満足3)

犯人はRAMであったか。疑う前に測るのが、一番の近道じゃのう

ジライヤ(喜び2)

あいあいー! 拙者、罠を踏んでおいた甲斐があったでござる

起動する時の設定の一覧は、ComfyUI公式のリポジトリで確認できます。