ブログを別の場所へ引っ越す時、メールのことまで考えたことはありますか?
私のブログには「jiraiya377.jp」という自分だけのアドレスがあります。このアドレスはドメインと呼ばれ、ブログだけでなく同じ名前のメールアドレスにも使っています。
ブログはWordPress(ワードプレス)からAstro(アストロ)という別の作り方へ引っ越すことにしました。その前にAIと調べると、ブログを動かすとメールまで受け取れなくなる作りでした。そこでブログより先にメールだけを逃がしました。この記事では逃がした順番と、それでも自分で残してしまった穴を書いています。

ブログを引っ越すだけでなぜメールまで届かなくなるのじゃ?

拙者も引っ越しの直前まで知らなかったでござる… メールの届け先がブログと同じアドレスだったでござる
こんな方におすすめ
- 自分のドメインでブログとメールを両方使っている方
- レンタルサーバーからブログを引っ越そうとしている方
- 引っ越しでメールが届かなくならないか心配な方
全体像
この記事でやったことの流れです。
この記事でやった流れ
メールの届け先がブログと同じアドレスだと気づく
メールだけを先に別のサービスへ移す
住所録の預け先を替えて書き写しを照らし合わせる
ブログを新しいサーバーへ切り替える
あとから見つかった穴をふさぐ
メールの届け先がブログと同じアドレスになっていた
引っ越す前に調べると、メールの届け先の欄にブログと同じアドレス「jiraiya377.jp」が書かれていました。このアドレスはブログを置いたサーバーにつながっているので、メールもブログと同じサーバーに届いていました。
ブログを新しいサーバーへ移すと、このアドレスは新しいサーバーにつながります。届け先も一緒に新しいサーバーへ変わりますが、そこにはメールの受け取り口がありません。そのためメールを受け取れなくなります。
少しだけ仕組みを説明します。インターネットには住所録があり、DNS(ディーエヌエス)と呼ばれています。住所録にはアドレスごとにつながるサーバーの場所と、メールの届け先が別々の欄で書かれています。メールの届け先の欄はMX(エムエックス)と呼ばれます。
メールの届け先
そのまま引っ越すと
届け先が「ブログと同じアドレス」
アドレスの先が新しいサーバーに変わる
新しいサーバーには受け取り口がない
先にメールを移すと
届け先が「メール専用のアドレス」
ブログを移しても届け先は変わらない
これに気づいたのは2026年9月21日です。AIに住所録を問い合わせてもらい、届け先がブログと同じアドレスだと確かめました。
住所録には「このサーバーから出したメールは本物です」という届け出の欄もあります。SPF(エスピーエフ)と呼ばれる欄です。ここもブログのアドレスに頼る書き方だったので、引っ越すと送ったメールが本物と認められにくくなるところでした。

ブログの引っ越しのつもりがメールの引っ越しでもあったのか!

だから拙者はメールから先に動かしたでござる
次の節では、実際にメールを移した順番と途中のつまずきを書きます。
ブログより先にメールだけを引っ越した
ブログに手を付ける前に、メールを「さくらのメールボックス」というメール専用のサービスへ移しました。届け先をメール専用のアドレスへ書き換えておけば、ブログをどこへ動かしても届け先は変わりません。
最初の計画は、同じレンタルサーバーの中の別の名前へメールを一時的に逃がす案でした。ただ、それだと後でさくらへ移す時にもう一度書き換えることになります。書き換えるたびに間違える機会が増えるので、1回でさくらへ移す計画に変えました。
9月23日の午前にさくらを申し込みました。まずさくらが最初にくれるアドレスで試すと、さくらから送ったテストのメールはGmailの迷惑メールの箱に入っていました。届いてはいたので行き来はできていました。
ところが、さくらの管理画面へ私のドメインを登録する所でつまずきました。午後に追加しても一覧に出ず、やり直すと「DNSゾーンが既に登録されています」と出る状態です。この登録が終わるまで、私のドメインの名前でメールを送ることはできませんでした。
しくじり
登録が一覧に出ないのを 待てば出ると答えていた
- 症状: さくらの一覧に私のドメインが出ないまま 待たされた
- 原因: エラーの画面を見る前に「正常」と答えていた
- 避け方: 出ない時は 待つ前にエラーの文を確かめる
- 今回のやらかし: 私はずっと待ちぼうけ 解決したのはサポートへの依頼だった
それでも届け先の欄は先に書き換えられるので、同じ日の夜に住所録を書き換えました。AIが値を用意して保存は私が押しました。
この夜の日付は、記事を書く時にAIが当時の会話ログで確かめ直したものです。作業の台帳には9月28日と書かれていて、ほかにも食い違いが見つかりました。
会話の記録
| 書き換えた欄 | 役目 |
|---|---|
| 届け先(MX) | 受け取る場所 |
| 届け出(SPF) | 本物かの確認 |
| 電子の印鑑(DKIM) | 送るメールの印 |
電子の印鑑は、送ったメールに押す印のようなものです。受け取った側は住所録に登録された印影と照らし合わせて、本物のメールかを確かめます。
書き換えた後にブログ用のアドレスへ外からテストのメールを送ると、さくらの受信箱に届きました。
ただしこの夜の作業には穴が2つありました。1つ目は印鑑です。AIは印鑑を、さくらが最初にくれるアドレス用の画面から取っていました。持ち主の名前が違うので、私のドメインから送るメールには使えない印鑑でした。
しくじり
電子の印鑑を 別のアドレス用の画面から取っていた
- 症状: 登録した印鑑が 私のドメインから送るメールでは使われていなかった
- 原因: 印鑑を さくらが最初にくれるアドレス用の画面から取っていた
- 避け方: 印鑑は 自分のドメインが選ばれた画面から取る
- 今回のやらかし: 410文字を1文字ずつ照らし合わせて一致させたのに そもそも別のアドレスの印鑑だった
2つ目はもう1つ使っていたアドレスです。届け先はさくらへ向けたのに、そのアドレスの受け取り口をさくらに作っていませんでした。試験に使った1つが届いたので、それ以上は洗い出していませんでした。
しくじり
届け先だけ移して 受け取り口を1つ作り忘れた
- 症状: もう1つのアドレスの受け取り口が 5日間さくらに無かった
- 原因: 試験に使った1つのアドレスが届いたので 全部移ったと思っていた
- 避け方: 使っているアドレスを全部書き出し 1つずつ届くか試す
- 今回のやらかし: メールを止めない作戦だったのに 1つは自分で受け取り口を作成してなかった
この2つの穴に気づかないまま、メールの準備は終わったつもりで次の作業へ進みました。
住所録の預け先とブログの置き場所は別々に替えた
9月26日に2つの作業をしました。午後に住所録そのものの預け先をCloudflare(クラウドフレア)へ替えました。夕方にはブログを新しいサーバーへ切り替えています。Cloudflareは、住所録の預かりとブログの置き場所を無料で引き受けてくれるサービスです。
住所録を預ける先はネームサーバーと呼ばれます。預け先を替える時は、今の住所録の中身を新しい預け先へ書き写します。
書き写しの漏れは、目で見比べずに機械で照らし合わせました。AIが小さなプログラムを作りました。古い預け先と新しい預け先の両方に同じ質問をして、答えが同じかを1項目ずつ並べます。
簡略化したプログラムを見る(読み飛ばして大丈夫です)
function Get-Answer($server, $name, $type) {
$fqdn = if ($name -eq '@') { $domain } else { "$name.$domain" }
$rec = Resolve-DnsName $fqdn -Type $type -Server $server -DnsOnly |
Where-Object { $_.Type -eq $type -and $_.Section -eq 'Answer' }
# 答えを並べ替えて1行にする
}
$l = Get-Answer $Left $name $type
$r = Get-Answer $Right $name $type
if ($l -eq $r) { '一致' } else { '差異' }
古いメール画面へのリンクを1つだけ、わざと写さない項目にしました。それ以外がすべて「一致」になってから預け先を替えています。
書き写しは、住所録を1つのファイルにまとめて読み込ませる方法で行いました。この方法だと、一部の項目に「Cloudflareが間に立って受け付ける」設定が最初から付きます。プロキシと呼ばれる設定です。付いたままだと古いサイトへの道筋が変わり、表示が乱れるおそれがありました。取り込んだ後に一覧で見つけて、全部を「場所を答えるだけ」の設定へ戻しました。
しくじり
まとめて読み込ませたら 9件に余計な設定が付いていた
- 症状: 取り込んだ住所録の9件が Cloudflareを経由する設定になっていた
- 原因: ファイルで取り込むと 経由する設定が最初から付く作りだった
- 避け方: 取り込んだ後は 一覧で全部の設定を見る
- 今回のやらかし: 書き写しの漏れは機械で調べたのに 余計に付いた設定は目で見るまで分からなかった
これで住所録の引っ越しは終わり、残るはブログの切り替えだけになりました。
ブログを切り替えてもメールの欄は変わらなかった
夕方にブログを切り替えた直後、照らし合わせのプログラムをもう一度動かしました。当時の作業記録では、メールに関わる欄は預け先を替えた時の値のままでした。
| 確かめた欄 | 切り替えの前後 |
|---|---|
| 届け先(MX) | 同じ ○ |
| 届け出(SPF) | 同じ ○ |
| 扱い方の宣言(DMARC) | 同じ ○ |
| 電子の印鑑(DKIM) | 同じ △ |
扱い方の宣言は、印鑑や届け出が合わないメールを受け取った側がどう扱うかの宣言です。この欄は元から変えていません。△を付けた印鑑の欄も値は同じでしたが、中身は夜に取り違えた印鑑のままでした。
残っていた穴は、9月28日ごろにまとめてふさぎました。さくらへのドメインの登録がサポートへの依頼で終わったので、私のドメイン用の新しい印鑑に取り替えました。もう1つのアドレスの受け取り口もこの時に作りました。
申し込み直後のさくらには、メールを送れる量を絞る期間もありました。管理画面のトップに出ていたお知らせで、電話番号の確認をして解除しました。
しくじり
画面のトップに出ていた送信の制限を見落とした
- 症状: 私のドメインのアドレスからメールを送れなかった
- 原因: 申し込み直後の送信の制限が かかったままだった
- 避け方: 新しいサービスは 最初に管理画面のトップのお知らせを読む
- 今回のやらかし: 送れない理由を5つも抱えていて そのうち1つは画面のトップに書いてあったが気が付かなかった
9月29日にもう1つのアドレスからGmailへ送ると、本物かを確かめる3つの検査がすべて合格しました。3つの検査とは届け出・印鑑・扱い方の宣言を、受け取ったGmailの側で照らし合わせるものです。
記事を書いた2026年10月18日に住所録へ問い合わせると、届け先はさくらを指していました。印鑑の欄は新しい印鑑に替わり、取り違えた古い印鑑は残っていませんでした。メールはさくらで受信できていて、今も普段から使っています。
切り替えた後の受信は、記事を書く途中でAIに聞かれて私が答えました。
会話の記録
Claude ブログの切り替えの後に、外からメールを受け取れるかを試した記録はありません。(中略)届いたら本文に事実として足します。
私 受信テストは現在確認取れて使用しています

ブログを動かしてもメールは届いておるのじゃな

今も普段から使っているでござる!
再現手順
- 自分の住所録でメールの届け先を調べます。Windowsなら
Resolve-DnsName 自分のドメイン -Type MXで、届け先の名前が出ます。MXはメールの届け先の欄のことです。 - 届け先が自分のドメインそのものなら、ブログを動かす前にメール専用のサービスを用意します。
- メール専用のサービスの管理画面に自分のドメインを登録します。登録が終わったことを一覧で確かめます。
- 使っているアドレスを全部書き出し、新しいサービスに同じ名前で作ります。
- 管理画面が表示する値で、住所録の届け先・届け出・電子の印鑑を書き換えます。印鑑は、自分のドメインが表示されている画面から取ります。
- 全部のアドレスで外からの受信を試します。送信はGmailで受け取り、3つの検査の合格を確かめます。
- 終わってからブログを新しいサーバーへ切り替えます。切り替えた後にもメールの欄が同じかを確かめます。
デメリット・注意点
- メール専用のサービスの料金がかかります。レンタルサーバーを解約するまでは、二重に払う期間があります。
- 申し込み直後のさくらには、送信の量を絞る期間があります。管理画面のトップのお知らせを最初に読みます。
- 住所録を1つのファイルで取り込むと、一部の項目にプロキシの設定が付きます。取り込んだ後は一覧で全部の設定を見ます。
- 照らし合わせのプログラムは、書いておいた項目しか比べません。値が一致しても、その値が正しいかまでは分かりません。
最後に
ブログとメールが同じドメインを使っているなら、ブログより先にメールの届け先を移しておきます。そうすればブログを切り替えても届け先は変わりません。私のブログでは、切り替えの前後でメールの欄が1つも変わりませんでした。
ブログの引っ越しを考えている方は、まず住所録のメールの届け先がどこを指しているかを調べてみてください。さくらのメールボックスで住所録に書く値は、さくらの公式ヘルプの独自ドメインを利用する際のDNSレコードにあります。







